経営パワーの危機
ゴールドラットと共に読んで楽しみながら理解できる自己啓発系小説として
三枝さんはお勧め。
今回は日本企業が戦後からバブルにかけて護送船団で来た体制にも限界が感じられる中、
経営者としての能力を持つ人間が育っていないことが問題であるとの持論のもとに、
どのようにしてその能力を獲得していくかを実例を小説家させて記したものである。
日本企業の問題点は 会社の組織を間接部門はそのままにして、事業毎に分けた事業部制を敷いていることから、社員は各事業部のトップを目指すことになるが、その事業というのは事業自体のやり方に関する部分だけであって、その他間接部門を含めた会社という単位での事業運営が経験できていないことから、創業社長の後継者が育っていないこととした。
経営と事業部門のトップでは考えることが全く異なるため、経営者を育てるためには、
小さくとも経営を実践できる組織構成にしたうえで経験を積んでもらうしかないと言い切る。
本書では子会社の経営再建に中堅の課長が任命されるところから始まり、実際に様々な困難にぶつかりながら経営者として考えるノウハウを説明している。
また、会社の仕組みとして後継者を育てるために、選抜したメンバに子会社を経営させる仕組みを導入したり、ソニーのように事業会社制として社長になってもらうなどといった方法を紹介している。
行き詰った会社からの再生の際に考えるマーケティングの方法と経理上の捉え方は参考になった。
経営パワーの危機 会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 三枝匡
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/10/18
- メディア: Kindle版
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創価学会の研究
特に様々な媒体で取りざたされたり、公明党が内閣の一部を占めるようになっているところとの関係があることから創価学会に対する疑問というのは 日本に住んでいるとちょくちょく感じるところ。
その創価学会の具体的な行いや、教団としての様々な行為、変遷についてその真偽を別として事実(?)のみを淡々と描いている。
#本文からポイントとなる箇所を引用
学 会員へのなりかた
入会希望カードの記入(転居の度に対象地域の組織に引き継がれる)
⇒会友へ
三か月間に座談会に3回以上参加する。
座談会(会員への集まり:月1回)への参加
会としての連絡事項や教学の講義、会員の体験を話す体験交流
入会記念勤行会に参加して「御本 尊」を受け取る。
地区代表者などが随伴して自宅の仏壇に御本 尊を安置する(入仏 式)
⇒正式会員へ
御本 尊 ー 日蓮が図顕した「南無妙法蓮華経」の曼荼羅を血脈を継ぐ
ごく小さな長方形の紙切れ
日蓮正宗から破門されたのちは同じく破門された寺に残る紙を
利用しているらしい。
日々の行い
勤 行 御本 尊に対して声に出してお経を唱える行為
朝と夕の2回。それ以外は必要に応じてお題目を唱える。
勤 行で唱える内容
日蓮が弟子に法華経のどこを読むのがよいか聞かれた際に答えた箇所
(「方便品第二」「如来寿量品第十六」)。
お題目
南無妙法蓮華経と唱えること
会員のつとめ
入会を勧めた人を紹介者。勧められた者が新入会者。
その他かかわりのある会員を先輩と呼ぶ。
朝・晩の勤 行の実施とお題目を唱えること
聖 教新聞の購読
月刊誌 大白 蓮華の購読
他人に入会を勧める(折伏[しゃくぶく])
財務 寄付
毎年12月に期間を設けて ご供養 を募る(1口1万円何口でも)
5月3日 公布基金
変遷
創価教育学会体系を著し、価値を創造する教育を研究する「学会」として組織
日蓮正宗の在家組織として戦前に3000人の会員を擁する(教員が主)
思想統制により牧口と牧口を慕う後の二代会長戸田は捕えられる。
高齢の牧口は獄中で死亡。敗戦直前に出獄した戸田により再建がなされる。
三代目会長は池田大作。
二代目戸田により地方を手始めに参議院議員選挙に挑戦し当選を果たす。
元は創価学会文化部であったが、公明政治連盟へ発展し64年に公明党となる。
国政参加への目的は日蓮が望む「広宣流布」の達成の証である「国立戒壇」の
建立を国会の過半数の賛成をもって行うという宗教的な目的だった。
しかし、国が特定の宗教を支援することは政教分離に背くとの批判が出たため、
日蓮正宗の本山である大石寺に大本堂を建設したことをもって国立戒壇が成った
と見做したかったが、日蓮正宗を厳格に捉える別の会派と争いになり、後に
日蓮正宗を離脱(破門される)こととなった。
効用
座談会の体験交流では他の会員との交流がなされ、交通が不便な時期に特に地方
から出てきた人に地域のバックアップとして機能した。
海外(SGI[創価学会インタナショナル])では 主に自律を求められるキリスト教の
教えよりもより密にフォローのある体験交流に対して人気があるようだ。
食べることも 愛することも 耕すことから始まる
グローバリゼーションが進む資本主義の先鋭化が進む中、効率化による生産性の向上は皆の幸せのためから利益をより多く上げるための方法論が持て囃されている。
本書は化石燃料などに頼らず 昔ながらの有機栽培を用いた農畜産業を会員向けに提供する農場を開くために奔走する夫妻を自身の心持ちの変わり行くさまを描きながら記したものである。
現代的な農業に対する抗議を明確に示さないまでも、昔ながらの農法の魅力をその機微に苦労話を交えながら語る文章が気持ちいい。
農場は私たちのものではなく農場のものである
とにかく優先順位が高いものからこなす(優先順位の低いものは諦める)
地域に支えられている
困った時に助け合うマジックサークル(ちょっと違うか)
せっかく作った美味しい素材を人々に広めるのは、料理の腕もあり。
・・・でなければならないではなく、自ら楽しんでやっているというところが
最近の流行なのかもしれない。
食べることも愛することも、耕すことから始まる ---脱ニューヨーカーのとんでもなく汚くて、ありえないほど美味しい生活
- 作者: クリスティン・キンボール,小梨直
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/10/20
- メディア: 単行本
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この新しい世代より古い、警告系の本として農薬による被害を訴えた最初という
こちらも併せて。
動画とか。まぁ、半々くらいで。
AJAR1834シネマシーン 目を見張る食糧ドキュメント: - YouTube
吉田修一
なんとなく吉田修一という名前を見て どこかで見たような気がした。
台湾に日本の新幹線技術を輸出して完成させるまでのお話だそうで。
今でも親日といわれる台湾の第二次世界大戦後の歩みと被らせながら
語られていくらしい。
東日本大震災のチャリティー番組で番組中に22億円弱もの義捐金が寄せられ
ました。
台湾の人口は日本の6分の1ほど。また所得については初任給で日本の50%
ほどの額のようですので、日本の価値観では270億円近い金額が寄せられた
ことになります。生放送中の4時間半だけで。
参考までに24時間テレビの過去34年間の全募金額が312億円弱です。
平均9億円ほどですが、このうち24時間の生放送中の募金額は3億円ほど。
台湾の9つもの放送局が協力して行った番組ということもありますが、
そうした番組を組む放送局の取り組みがあるということと、一般の人が募金
してくれたというところに意義があると思います。
義捐金の話が長くなりましたが、自分でも忘れないため ということで。
小説では戦後の過去を振り返りつつも、困難を乗り越えて新幹線を作り上げて
いく過程を「人々」の話を通じて描いているところがよさそうです。
あらためて思えば
全自動洗濯機でカンタン洗い物
飛行機で移動する
昔と比べて便利で進化してきたと思う。
でも改めて考えると、人の能力があがったのではなくて
過去の知識の積み重ねで便利なインフラが出来上がってきただけ。
中世の天才が作ったもので、今の技術をもってしても作れないものがあるらしい。
いまの生活を自らの力で作ろうとしたらどうなるか
まじめにやった人がいるそうだ
トースターといえば機械仕掛けのイメージがあるけれど、
電子レンジだったらもっと面白かったかな。
でも作っていく中で様々な知識が血となり肉となっていくような気がする。
鉄から作れとは言わないけど、一昔前の分解して覚えるっていう遊びが
学びになるというのは 有効なんだろうなぁ
- 作者: トーマス・トウェイツ,村井理子
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2012/09/14
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