経営パワーの危機

ゴールドラットと共に読んで楽しみながら理解できる自己啓発系小説として

三枝さんはお勧め。

 

今回は日本企業が戦後からバブルにかけて護送船団で来た体制にも限界が感じられる中、

経営者としての能力を持つ人間が育っていないことが問題であるとの持論のもとに、

どのようにしてその能力を獲得していくかを実例を小説家させて記したものである。

 

日本企業の問題点は 会社の組織を間接部門はそのままにして、事業毎に分けた事業部制を敷いていることから、社員は各事業部のトップを目指すことになるが、その事業というのは事業自体のやり方に関する部分だけであって、その他間接部門を含めた会社という単位での事業運営が経験できていないことから、創業社長の後継者が育っていないこととした。

 

経営と事業部門のトップでは考えることが全く異なるため、経営者を育てるためには、

小さくとも経営を実践できる組織構成にしたうえで経験を積んでもらうしかないと言い切る。

 

本書では子会社の経営再建に中堅の課長が任命されるところから始まり、実際に様々な困難にぶつかりながら経営者として考えるノウハウを説明している。

 

また、会社の仕組みとして後継者を育てるために、選抜したメンバに子会社を経営させる仕組みを導入したり、ソニーのように事業会社制として社長になってもらうなどといった方法を紹介している。

 

行き詰った会社からの再生の際に考えるマーケティングの方法と経理上の捉え方は参考になった。